資産形成

高配当利回りと株主優待が魅力のNTT(日本電信電話)!デメリットは成長率の低さか?

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Dai
Dai
こんにちは、(@ D_1110202)です。今回は、ぼくの保有銘柄、NTT(日本電信電話)について解説していきます。

NTTといえば、国内通信業界の最大手グループで、業績が比較的安定しており、ディフェンシブ銘柄として有名です。

また、NTTは配当利回りが高く、高配当株投資家に絶大な人気があります。

一方、NTTの過去5年間の株価は一進一退を繰り返しており、目立った上昇はしていません。

この記事では、NTTの業績や財務内容、株価の割安さなどを元に、今のNTTの株価は買い時なのか?についてぼくの考えを書いています。

※投資は自己責任でお願いします。

NTTの売上高・営業利益は長期的に成長している

1つ目の判断基準は「業績は成長しているか?」です。

まず、注目したいのが、NTTの業績の安定性です。

たとえば、2008年のリーマンショックや、2020年のコロナショックなど、多くの業界が損失を出してしまうような不況下でもNTTの売上は比較的安定しています。

NTTが不況に強い理由は、NTTの主力事業である携帯電話事業は毎月定期的なストック収入が見込めるからです。

不況に強くて、安定的な通信業界の大手企業であるというのは、NTTの魅力です(実際、競合のソフトバンクやKDDIの業績はリーマンショック時も比較的安定しています)。

セグメント別の利益をみると、携帯電話事業が半分以上

次に、セグメント別の利益をみると、移動通信事業(携帯電話事業)の利益が半分以上となっており、利益率も他セグメントと比べて高くなっています。

2019年12月23日に発表された、総務省によるデータでは、携帯電話の契約数における事業者別のシェアはNTTドコモが38.1%と1位であり、KDDI、ソフトバンクより多いです。

今後も5Gの普及やIoT(モノのインターネット、Internet of Things)の進展によって、通信の需要は高まるといわれています。

NTTの業績も長期的に成長するだろうと期待できます。

通信業界のメリット:参入障壁が高いため、利益を維持しやすい

通信業界は初期投資額が非常に大きく、他社が参入しにくい業界です。

楽天の携帯電話事業への参入が注目されていますが、楽天の利益規模に比べて、通信事業で必要な初期投資額(基地局の設置等)は極めて大きいといわれています。

楽天のシェア拡大は緩やかなものになると考えられ、NTT(子会社のNTTドコモ)の携帯電話事業の利益が急減するという心配は無さそうです。

NTTグループは競合対抗策として、dポイントによる囲い込み戦略を強化中!

一方、NTTグループでは、競合であるKDDI、ソフトバンクへの対抗策として、dポイントのキャンペーンなどを行っています。
(NTTは株主優待にてdポイントを提供)

このような独自の戦略を継続的に展開していくことで、シェアの拡大につながり売上利益の伸びにつながりそうです。

NTTの営業利益率は約13%もある!

2つ目の判断基準は、利益率の高さです。利益率は競争力の強さを表す目安と考えており、利益率は高いほど良いです。

NTTの営業利益率は2016年より上昇傾向にあり、2020年3月期は約13%になっています。

日本株の場合、営業利益率が10%以上あれば良好といわれます。

NTTの営業利益率は平均よりよい水準であることがわかります。

なぜNTTの営業利益率が高いのかというと、その主力事業である携帯電話事業(子会社のNTTドコモが運営)に参入するには、
国による電波の割り当てが必要であり、事業が寡占化しているためです。

参入障壁の高さがNTTの競争力につながっており、その状況は今後も続くと考えられます。

NTTのキャッシュフローは安定的で、成長している

3つ目の判断基準は、キャッシュフローの潤沢さです。

キャッシュフローは現金の出入りを表す数値であり、事業の実態を反映する指標として重要です。

NTTのキャッシュフローを年ごとに個別に見てみると、営業キャッシュフローが毎年プラス、投資キャッシュフローが毎年マイナスであり、絶対値をみると、営業キャッシュフローが投資キャッシュフローより大きくなっています。

通信事業は多額の設備投資(投資キャッシュフロー)が必要な事業ですが、それを上回る営業キャッシュフローを稼げています。

つまり、設備投資⇨キャッシュフロー⇨設備投資の良い循環ができていることが分かります。

ただし、営業キャッシュフローの長期的な成長は見られない

一方、NTTの営業キャッシュフローは2007年以降、あまり成長していません。

NTTは多額の設備投資(投資キャッシュフロー)をしていますが、現状維持に使われるばかりで、事業の成長には至っていないことがわかります。

国内の携帯電話市場の飽和と、日本の長期的な人口減少を考えると、将来的な成長も期待しにくいと考えられます。

NTTは収益の安定性についてはとても良いですが、将来の成長期待はあまり大きくなさそうです。

NTTの財務は健全

4つ目の判断基準は財務の健全さです。

貸借対照表(BS、バランスシート)をみると、企業の保有資産や負債などの内訳がわかります。

売上高や利益などのデータに表れない、企業の強みや危険な兆候が貸借対照表に表れます。

売上高や利益も大事ですが、それ以上に貸借対照表のきれいさのほうが重要と私は考えています(同様に、キャッシュフローのきれいさも重要です)。

NTTの自己資本比率は約42%

財務の健全性をみるときに、最初にチェックしたいのが自己資本比率です。

NTTの自己資本比率は42.6%(2021/2/26時点)です。

自己資本比率の目安として、30%くらいで普通40%以上あれば優良といわれます。

NTTの自己資本比率は40%を超えており、事業内容自体も世界情勢に影響を受けにくく安定していますので財務体制が強固な企業であるといえます。

NTTの現預金は少なめだが、安定したキャッシュフローがあるので問題なし

一方、NTTは現預金が少なめです。支払いが滞ることがないか、不安を感じる方もいるかもしれませんが、問題ありません。

なぜならば、NTTが行っている通信事業は安定的なキャッシュフローが見込めるからです。

不況になっても営業キャッシュフローが急減することは考えにくいため、不意の変動に備えて現預金をためておかなくても良いからです。

NTTの財務は健全であり、事業の継続性に不安は少ないです。

NTTの株価はやや割安

5つ目の判断基準は、株価の割安さです。

NTTの株価は2016年以降、一進一退を繰り返しています。

2020年3月のコロナショックで大きく下がる場面もありましたが、すぐに回復しました。

現在のNTTの株価は、過去5年の平均と比べて少し高めです!

株価の割安さの指標として、以下の3つを使って検討します
  • PER(株価収益率)
  • PBR(株価純資産倍率)
  • 企業価値評価手法による理論株価

NTTのPERは約12倍で、やや割安

NTTのPERは2016年半ば以降、やや低下し、現在は約12倍となっています。

PERの平均値は15倍くらいが目安といわれますので、現在のNTTのPERはやや割安な水準です。

NTTのPBRはやや割安

NTTのPBRは2015年以降、最大でも約1.4倍であり、2018年からは下落傾向が続いて現在は約1倍となっています。

PBRは1倍が解散価値(事業を清算したときに残る、帳簿上の価値)といわれ、下値の目安とされています。

1倍以下なら株価は割安といわれますが、業績がよい企業であれば1倍以上になるのが普通であり、成長株では10倍以上になる場合もあります。

NTTは好業績のわりにPBRが低く、やや割安な水準だと思います。

NTTの株価は理論株価(企業価値)に対して割安

株価の割安さの指標として有名なPER、PBRは一面的な評価であり、企業の実態がわかりにくいという弱点があります。

そのため、ぼくが割安さを判断するときは、企業価値評価手法によって求めた理論株価を重視しています。

企業価値(理論株価)を計算する手法はいろいろありますので、自分の考え方に合った手法でいいと思います。

NTTは固定資産が多いため、財産価値(資産の種類で重みづけした場合の保有資産価値)が少ないです。

一方、NTTは業績が好調で、利益率が高いため、事業価値が高いという強みを持っています。

その結果、NTTの理論株価は3932円となっていて、実際の株価2758円(2021/2/26終値)は約30%も割安となっています。

株主価値と時価総額の推移

さらに、株主価値と時価総額の推移についても見てみましょう。

2018年3月までは市場価値が株主価値を上回っていました(やや割高な状態)。

その後、株主価値が上昇した一方、市場価値は下落したため現在は割安感があります。

今後も好業績が続けば、株主価値は徐々に向上します。

それに伴って、株価も長い目で見れば、連動して上がっていくことが期待されます。

NTTは高配当利回り・株主優待で人気

6つ目の判断基準は株主還元(配当・株主優待)をする姿勢があることです。

配当や株主優待には賛否両論あり、無いほうが良いという人もいます。

しかし、配当や株主優待がある銘柄は、市場がショックに見舞われたときの株価下落率が比較的小さいという良さもあるし、気持ち的に精神安定剤にもなります。

そのため、ぼくは業績などを最優先としたうえで、株主還元に積極的な銘柄はなお良いと考えています。

NTTは配当利回りが高い

2016年以降に株価があまり伸びていないのに対して、配当金が増加しているため、配当利回りは約3.8%に達しています。

コロナショックのピーク時は、なんと約4.4%まで達していました!

日本株の配当利回りは平均2%前後なので、NTTは高配当な銘柄です。

NTTは長期的に増配を続けている

NTTの配当金は長期的に増加し続けています。

具体的にいうと、NTTは2012年3月期(1株当たり30円)以降、連続して増配を実施しており、2021年度は1株当たり105円となっています。NTTは株主への利益還元に関して積極的な企業です。

一方、現在の配当性向は約40%であり、平均的な値です。まだ増配余力はあります。
※配当性向:税引後純利益のうち、何%を配当金として支払ったかの指標

今後も良好な業績が続く限り、増配を期待できそうです。

NTTの株主優待はd ポイント還元で、長期優遇制度もある

NTTの株主優待は以下のようになっています。
NTT9
NTTの株主優待は、dポイント還元です。

NTT株を保有してから

  • 2~3年で1500ポイント
  • 5~6年で3000ポイント

をもらえます。

それぞれの株主還元利回りは約1%前後で、利回りはあまり大きくないですが、長期保有するためのモチベーションアップにつながります。

NTTと競合企業の比較について

NTTの競合企業としてKDDI、ソフトバンクグループの業績と各種投資指標を比較してみます。

売上高、営業利益の比較

3社とも巨額の売上高、営業利益を出していて、優良企業であるのは間違いないです。

通信事業が寡占的な業種であり、国(総務省)から目を付けられるほど、高収益な事業であるためです。
※株式の約3分の1を財務大臣が保有!

一方、KDDIの売上高は大きく増加しているのに対して、NTTの売上高の増加ペースは緩やかです。

NTTが主力としている通信事業が成熟していく中で、他領域への拡大戦略がやや遅れているような印象を受けます。

投資指標の比較

PBRで見ると、株価が割安なのはNTTです。

一方、NTTの直近5年間のROEは8~10%です。

NTTのROEは日本企業の中で平均的な数値であり、競合のKDDIおよびソフトバンクGのROEと比べて低めです(ソフトバンクGのROEは一時的にマイナスになっていますが、前年度までは20%超が多かったです)。

株価の割安さならNTT、収益性の高さならKDDI、ソフトバンクGが良さそうです。

直近の決算の状況

NTT(日本電信電話)の直近の四半期業績の推移をみてみましょう(引用:マネックス証券の銘柄スカウター)。
NTT12
NTTの四半期決算は、前年同期比マイナスが続いており、あまりよくありません。

総務省主導の料金プラン変更により営業減益となった、子会社のNTTドコモの影響が大きそうです。

一方、2021年3月期について見てみると、新型コロナ問題で他業界が大幅な減益決算に陥っているのに対して、収益が比較的安定しているNTTの業績はそれほど悪化しないだろうと予想しています。

とはいえ、もし一般消費者の所得減少が続き、通信料金削減の流れが強まってしまう場合、NTTの業績にも悪影響が出る可能性があります。

投資する際は、今後の業績の行方に注意が必要です。

まとめ

NTTの株価についてぼくの総合的な投資判断!
  • 業績の成長=成長率は低いが、安定的に推移
  • 利益率の高さ=営業利益率は約13%で優秀
  • キャッシュフロー=営業キャッシュフローが安定的にプラス、成長は微妙
  • 財務の健全さ=自己資本比率が約42%で優秀
  • 株価の割安さ=やや割安
  • 配当、株主優待=配当利回りが約3.8%で高い、株主優待でdポイントをもらえる

NTTは安定した財務体質の上で利益を確実に出しており、株主に対する還元(配当、株主優待)も行っています。

長期保有により配当金(約4.0%)などのインカムゲイン目的の方にとっては優れた優良株です。

一方、NTTの株価はやや割安感があるものの、今後の成長率には懸念があるため、株価が急激に上がる可能性は多くなさそうです。

もし、キャピタルゲインによって数倍の利益を獲得したいのならば、NTT株はあまり適していません。

また、今後の業績の懸念材料の一つとして、「通信費の値下げに対する国(総務省)の介入がさらに強まる」可能性があります。

すでにNTTの株価にはある程度織り込まれているように思いますが、もし業績悪化が著しくなった場合には売却するのもよいかもしれません。

銘柄選びの参考になれば嬉しいです。

最後まで見ていただき、ありがとうございました。