投資信託を買い始め、つみたてNISAやiDeCoを始めると、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天VTIの2つで迷うという方は多いのではないでしょうか?
両方とも人気積立ランキングのトップ3に君臨する投資信託です。
今回は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天VTIの違いとどちらがおすすめかについて解説します。
こういった疑問を持っている方は、是非参考にしてください。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天VTIの特徴
まずeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天VTIについて、それぞれの特徴をまとめました。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
インデックス型のファンドで、米国のS&P500(指数)に投資しています。
信託報酬は、0.09372%と驚きの安さです。
楽天VTI
インデックス型のファンドで、米国のVTI(米国ETF)に投資しています。
信託報酬は、0.162%で少し高いですが、他の投資信託と比較すると全然安いです。
2つの投資信託の異なる点は、ベンチマークと信託報酬です。
では、ベンチマークの比較をしていきます。
ベンチマークの比較S&P500(指数)とVTI(米国ETF)
まず、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が連動しているのは、S&P500と呼ばれる米国の大型株500銘柄に連動した指数になります。
この指数とは複数の企業の株価をまとめた指標になります。
なので、基本的にS&P500に投資しようとすれば、それに連動した投資信託やETF(VOO)を買う必要があります。
一方、楽天VTIが連動しているVTIは、米国株式全体(約3600社)に投資するETFのことを指します。
ETFとは上場投資信託で、個別株のようにリアルタイムで値動きする投資信託のようなものです。
ETFと指数の違いが分かったところで、次はチャートを見ていきましょう。
S&P500(指数)とVTI(米国ETF)のチャート
以下にそれぞれの過去5年分のチャートを用意しました。青線がS&P500、赤線がVTIになります。
Yahooファイナンスを参照しています
ご覧の通り、チャートの形状はほとんど一緒です。
ただ、上でも述べたように、S&P500は米国の代表500銘柄に連動しているのに対して、VTIは米国株式全体の約3600銘柄に連動しています。
では、連動している対象が違うにもかかわらず、なぜチャートはほとんど同じ動きをするのでしょうか?
答えは、それぞれのチャートは時価総額加重平均という計算方式で算出されているためです。
時価総額加重平均とは
時価総額が大きい銘柄ほど多く組み入れて、小さいほど少ししか組み入れない計算方式のことです
つまり、VTIは米国株式全体に投資しているとはいえ、時価総額のより大きい銘柄(=米国の代表銘柄)がポートフォリオの大半を占めているということです。
事実として、組み入れ割合が上位の銘柄は全く同じで、組み入れ額で考えると全体の約80%がS&P500とVTIで一致しています。
参考までにS&P500とVTIの上位10組み入れ銘柄とその割合をまとめました。

結論としては、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天VTIとではベンチマークによる違いはほとんどないということが分かります。

信託報酬の比較eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天VTI
次に、信託報酬を比較していきます。
上記でもまとめましたが、信託報酬には以下のような違いがあります。
手数料(信託報酬)の差は、0.06828%ですね。
一見大した差ではなさそうですが、仮に年間40万円の積立を行い、年利5%で20年間運用したとすると、約10万円の差になります。
20年間でたった10万円しか差が出ないと捉えるかはあなた次第ではありますが、少しでも多く貰いたいなら信託報酬は少ない方を選んだ方が無難そうです。
しかも、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は業界最低水準の運用コストを目指すことを宣言しており、さらに信託報酬が下がっていくことが期待されています。
実際、過去に信託報酬は引き下がっており、その引き下げもあって楽天VTIより人気になったという経緯があります。

楽天VTIからeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)へ乗り換えた方がいいの?
ここまでで、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の方が信託報酬の差分、良さそうだと思った方もいると思います。
では、すでに楽天VTIを積立ていて、もし乗り換えたい場合はどうすれば良いのでしょうか?
結論から言うと、すでに買っている楽天VTIが「つみたてNISA枠」か「通常の枠」かで変わってくるので、それぞれで対応を選択してください。
つみたてNISA枠の場合 ⇨ すでに買っている楽天VTIは保有し続け、次の積み立てからeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を買い付ける。
通常の枠の場合 ⇨ すでに買った楽天VTIは保有し続けても良いし、売却してeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を買い付けてもOK。
つみたてNISAで投資信託を変更する際の注意点
つみたてNISAで買い付ける投資信託を変更するのには少し注意点があります。
そもそも、つみたてNISAで投資信託を売却しても、つみたてNISAの40万円/年の非課税枠は戻ってこないです。
なので、非課税枠をしっかり活用するためにも、保有している楽天VTIはそのまま持ち続けて、新規購入分からeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を買う方がいいと思います。
通常枠で投資信託を変更する際の注意点
通常枠であれば、注意点は利益にかかる税金ぐらいです。
なので、そこまで気にする必要はないので、変更したい場合は変更しても良いと思います。
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最後に
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天VTI、どっちがおすすめ?
今回は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天VTIに関して、それぞれの特徴とどちらがおすすめかについて解説しました。
個人的には、信託報酬が安いeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)がおすすめです。
実際に夫婦共につみたてNISAでeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を積立ています。
しかし、小型株の成長にも期待したいという方は、楽天VTIの方がおすすめです。
とは言え、どちらも間違いなく優秀で人気の投資信託で、ベンチマーク自体にも信託報酬にもそこまで大きな差は無いので、ご自身の好みで今後の投資方針を考えればと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。